上田商店ニュース
上田商店が発行しております FAXニュースをWEB版でご覧いただけます。
WEB版 上田商店ニュース
今号で終了させていただきます
歴史的・記録的、酷暑や豪雨を繰り返し、長〜い夏が過ぎ、いい季節になりました。また、当初から色々懸念されていた大阪・関西万博は、大盛況のうちに閉幕致しました。 さて、平成10年(1998年) 7月より報告してまいりました「上田商店ニュース」サークル会例会報告は今回が最終号です。27年間続いたのも皆様のご愛読のたまものと感謝しています。長い間、ありがとうございました。深くお礼申し上げます。そして、皆様方のご発展、ご活躍をお祈り致します。
今回が最後です。今後共よろしくお願いします。
「FAXニュース」を振り返る
生産効率が優先されたバブル期を経て、業界の発展に少しでも貢献できればと思い、平成10年(1998年)「FAXニュース」の発刊にいたった。メーカー各社に声掛けし13社でスタートした。当初は、身近な交流も必要と考え、クリーニング業のあり方や戦略・戦術から経営面まで含めて、「ビックリ・本物」商売繁盛勉強会をコンサルタント会社とタイアップして開催した。
そして、「これからの時期のクリーニングの掘り起こし」など、テーマを設定して情報提供・提案をしていった。また、テーマの一環として年に一度は、各地のクリーニング店を見学させて頂き、特徴などをレポートし、掲載していった。平成14年の「広島県のクリーニング店見学レポート」では、サークル会メンバーが初めて目にした “靴のクリーニング”。今思えば、先を読んでのチャレンジだったと思う。ブーツやスニーカー、ボウリング場のレンタルシューズと幅広く取り扱っていた。
その後は、「業界の変遷」「今後の展開」「付加価値(営業)」などについての具体案や他業種情報も持ち寄り話し合い提案してきた。情報を中心に提供する「FAXニュース」に変遷していった。
コロナ禍を経て厳しい状況が続くが、少しでも業界が良くなることを願い、今後も期待している。
◆参考までにクリーニング市場規模を比べてみるー
       以下、令和6年の数字と【平成10年の数字】
      ●洗濯代支出金額:4,569円 【14,361円】
      ●市場規模:約2,777億円 【約6,629億円】
      ●施設数:72,936 【164,225】
      ●1店当たりの売上金額:約381万円 【約404万円】
失われていく、技術継承
「30年ほど前から徐々に減少しているクリーニング市場。廃業も増えている。高齢化や後継者難、売り上げの減少や機械の故障などが主な原因。
カジュアル化やファストファッションが流行ったとか言われてきたが本当なのか?日常生活で着る服は、確実にオシャレになっている。クリーニングの方が向いている服が増えている。プロとしてきちんと情報を消費者に向けて発信していかないと手遅れになる。また、今いる高齢者の技術(経験から得られた勘や判断力、問題解決能力など)を大事にしないと日本からクリーニングの技術はなくなる。」
技術継承、業界をあげて全国の経験者をピックアップ、AIなどを活用して残せないものかと思う。
消費の新潮流<日経トレンディ>
世相を反映して、25年上半期は消費の新潮流が生まれた。まず、「キャンセル消費」。あたり前だった手間やコストをキャンセルできる商品の人気が高まっている。盛り付け不要な“せいろ”や、手をベタベタさせずに使える日焼け止めなど、これまで煩わしさを感じていた行動をキャンセルできる商品がヒットした。
また、モノ・コト消費に続く「ロジカル消費」という新潮流も生まれた。シャンプーが1本1,700円以上でもヒットした「THE ANSWER」や、日本初の充血除去成分を配合した目薬「マイティア ルミファイ」など価値を証明できる商品は高くても売れるようになった。
潮流に乗る試みも大事なことだと思う。
継続可能な社会の実現
総合ユニフォームメーカー(大阪市中央区)は、経済産業省が示す「繊維製品の環境配慮設計ガイドライン」の「易リサイクル設計」に、ユニフォーム業界で初めて準拠した長袖ジャケットを発売した。ボタンにいたるまで全ての素材が再資源化に配慮したPETリサイクル可能な部材で、JIS T8118適合製品。
また、ユニクロは全商品をリサイクル、リユースする取り組み「RE.UNIQLO」を進めている。不要になった服を回収し、リユースとして活用し、被災地への緊急災害支援など世界中の服を必要としている人たちに届けている。リユースできない服は、燃料やリサイクル素材として活用する取り組みを行っている。
“持続可能な社会”への取り組みを行っている。クリーニング業界も絡んでいければと思っている。
入会費1万円の有料会員制度
関東が地盤の成城石井が、昨年3月から第1期をテスト的に実施した入会費税別1万円の会員制プログラム。第2期を8月に募集し、本格的に始めた。
食品小売業では珍しい高額な有料会員制。買い物特典は、購入時に3%割引や駐車場1時間無料、誕生月に1000円分のクーポンなど。限定体験は、英国のブランドとコラボしたバッグの先行販売やバイヤーがたるごと買い付けた国産ウイスキーの販売も好評だった。
入会費に見合う価値を、スケールメリットを生かした特典をカタチにしていき、トータルでいい循環ができればいいが、実力が試されるような気がする。
自然環境の変化への対策
今後も気温はさらに上昇する予測。気温の上昇は、水蒸気を増加させ、豪雨災害へつながる。気象変化は、生態系の変化や社会に様々な影響を及ぼし、水害のリスクの上昇やインフラへのダメージなどが懸念される。
そして、工場運営と労働環境の悪化につながる、空調設備や効率的な換気システムの整備が不可欠になり、エネルギーコストは上昇する。防災対策や事業継続計画(BCP)の策定が重要となる。また、衣類の種類や素材に合わせた技術やサービスの開発、汁ジミや皮脂汚れ、カビなどの除去技術の重要性が高まる。
変化に対応するため、業界は省エネ設備の導入、災害に強い工場づくり、新たな需要に応えるサービスなど、多角的な対策が求められる。
クリーニングについての意識調査
❖衣類のクリーニングについて
頻度は、半年に1回程度が39%で、2〜3ヶ月に1回が27%、月に1回以上が16%という結果。タイミングでは、季節の変わり目(衣替えのとき)が66%で、冬物や夏物をしまう時が 51%となっている。店を選ぶ理由は「品質」「価格」をいずれも90%以上が重要視されている。
❖「店舗型」と「宅配型」クリーニングについて
「店舗型」を利用したことがある99%、ネットによる「宅配型」は17%と「店舗型」が多数を占めている。理由として「品質」「価格」「家から近い/集荷・配達が便利」が多い。
❖絨毯やカーペットのクリーニングについて
絨毯やカーペットを出すことがあるが11%。そのタイミングはいつかで多いのは、51.5%が定期的、汚れやにおいが気になった時が27.3%だった。
❖衣類の保管場所について
衣替え後、保管場所に困ったことがあるが38.4%で、そのまま保管してほしいは37.9%。期間では、半年〜1年程度が39.1%、4〜6ヶ月程度が33.1%となっている。
